リチャード (Richard)は、本作の登場人物。王国の戦士の一人。
ワシントンD.C.で妻と娘ケイティと共に暮らしていたが、感染拡大後に避難民の居住地に移動しそこで妻を火事で失い、更に娘もウォーカーに襲われ死亡した。
エゼキエルの信頼を得てジェリーやダイアンらと共に王国の戦士を務めており、救世主との取引の場にも同席していた。
しかし救世主との密かな取引には危機感を覚えており、いつか救世主によって王国が破壊されるのではないかと恐れていた。
モーガンが同席した取引の際にジャレッドと諍いを起こし、後日キャロルとモーガンに「救世主と戦うようエゼキエルを説得して欲しい」と頼むが、2人には拒否される。
以前から知人であったジーザスがリックを王国へ連れてくると、リチャードはリックに加勢して「状況が悪くなる前に救世主と戦った方がいい」と訴えたが、エゼキエルはアレクサンドリアとの共闘を拒んだ。
救世主との取引がまた行われ、その場でリチャードがまたジャレッドに難癖をつけられると、モーガンとベンジャミンがジャレッドを制した。しかしリチャードは救世主への反抗的な態度をエゼキエルに咎められた。
聖域から脱走してきたダリルは王国に匿われていたが、リチャードはダリルに近づくと対救世主の作戦を打ち明けて協力を求めた。しかしその作戦でキャロルが犠牲になる可能性を知ったダリルは激怒し、もしキャロルを巻き込んだらお前を殺すとリチャードに警告して立ち去った。
救世主との取引に向かう途中のエゼキエル一行は道路が買い物カートで遮られている箇所に遭遇し、周囲を確認したが「ここに埋めてくれ」と看板の立てられた墓穴が発見されたのみで、カートを動かすと先へと進んだ。
取引の約束の時間に遅れて到着したエゼキエル達はメロンの数が1つ足りないことを指摘され、その罰としてギャビンはジャレッドに誰かひとりを撃つように示唆した。 ジャレッドはまずリチャードに銃を向けたが、リチャードに「撃て」と言われると標的を変え、ベンジャミンの足を撃った。
エゼキエル達は救世主達が立ち去るとベンジャミンをキャロルの家に運び込み治療を始めたが、リチャードは呆然とその様子を見つめていた。
ベンジャミンは治療の甲斐なく死亡し、モーガンに「お前がメロンを隠したことでベンジャミンが死んだ」と責められたリチャードは、王国へ来る前に妻と娘を失ったことを語り、「殺されるのはベンジャミンではなく自分のはずだった」「自分の死がエゼキエルを救世主との戦いへ踏み出させるきっかけとなることを期待していた」とモーガンに打ち明けた。
翌日、王国のメンバー達は不足のメロンの受け渡し場所に向かい、リチャードはギャビンにメロンを手渡したが、その直後モーガンに杖で殴りつけられた。地面に倒れたリチャードはそのまま殴り続けられ、死亡した。
モーガンは「妨害工作をして取引に遅刻させた上、メロンを隠してベンジャミンを死に追いやったのはリチャードだ」「リチャードは救世主と戦争をしたがっていた」と暴露し、王国はリチャードの意志とは違い、救世主とは今後もよい関係でいたいと願っていると訴えた。
満足したギャビンは部下たちを連れて立ち去り、モーガンはリチャードの頭部をナイフで刺して転化を防ぐと、遺体を引きずってリチャードが自ら掘った墓穴に彼を埋葬した。